201209 揚州市高郵市調査・調査メモ
調査期間:8月31日〜9月6日
参加者:青木黒岩
備考: 甘粛調査後のオプション的調査のメモ。長期的には「京杭運河回民コミュニティ調査」の一部でもある。
2012.09.02(土)
高郵市菱塘回族自治郷
(調査者:青木、黒岩)
13:00タクシーをチャーターし、高郵市華僑国際酒店を出発。
13:45ころ菱塘回族自治郷清真村に到着
インフォーマント:薛元中アホン 66歳
葬礼の一行が清真寺に帰還したところに到着。
アホンとの面談を求めたところ,後始末が終わるまで待つよう指示されたので,事務室で待つ。
- 途中、100百元札二枚を手にした信徒が、寺の管理員会で白帽を数個購入、と思いきや、葬礼後返却。貸し帽であるらしい。
黒:今日は葬礼(站者那扎)があるのか?
アホン:もう終わった
14時20分頃からアホンとの面談開始。
黒:この清真寺と菱塘の回族の様子をうかがいたい
アホン:ここはもと回回湾といい、元朝チンギスハーンの探馬赤軍が駐屯したのが始めである。その後,朱元璋が立てた明朝に服属したとき、三百戸回民と言われ,楊、薛、沙の姓の回民が集住していた。300年前、洪水のためルーサイガンから現在の地に移住し、清真寺を立てた。本殿のわきに大銀杏があるが、その時植えたられたもので、樹齢300年あまりである。次に清真寺が建てられたのは1844年、三度目が民国14年、四度目が1995年、五度目が2000年、現在のものは2011年に建てられたものである。
青:あなたは教長ですか?
アホン:教長です。
青:お名前はなんとおっしゃいますか。
アホン:薛元中です。(漢字がわからない青・黒を憐れんで)あれを見なさい(壁に貼ってある清真寺管理委員会及び役職者の氏名一覧を指差す)。
青:今年おいくつになりますか?
薛元中アホン:66歳です。
黒:当地の方ですか。
アホン:当地の者です。
青:あなたはどこでアラビア語と宗教知識を学んだのですか。
アホン:安徽省天長市です。
青:どなたに習ったのですか。
アホン:王貴倫先生です。」
青:その方は現在おいくつですか。
アホン:現在90歳です。
青:あなたがアラビア語と宗教知識を学んだのはいつですか。
アホン:1979年です。
青:どのくらいの期間学んだのですか。
アホン:三年間です。
青:この寺でずっとアホンをしているのですか。
アホン:そうです。しかし、私が帰って来た時は清真寺管理委員会もイスラーム協会もなかった。清真寺管理委員会が設立されたのが1983年、高郵市イスラーム協会が設立されたのが1985年です。
黒:あなたが作ったのか?
アホン:そうだ。
青:ジュマーのときは何人礼拝に来ますか。
アホン:30人に満たない。20人あまりです。
黒:二大祭のときは何人清真寺に来ますか。
アホン:爾代節、すなわち開斎節、古爾邦節のときは千人近い人が訪れる。
青:どうしてそんなに多いのですか。
アホン:ここは天長、高郵、楊州の三市のまんなかに位置しているので、三市から多くの人が訪れるのだ。
青:当地の回民の生活習慣やムスリム文化にはどんな特色がありますか。
アホン:アホン以外の回民はアラビア語を解さないし、話さない点である。当地の回民は漢語しか話さない。
黒:当地の若い人はアラビア語の勉強をしますか。
アホン:解放前は、清真寺の裏の方にあった回民小学校でアラビア語を教えていたが、解放以後は教えなくなってしまった。現在の回民中心小学でも、週に一コマしか教えていない。これではアラビア語は身に付かない。
青:こどもたちはアラビア語を勉強するのが好きですか。
アホン:あまり好きではない。
青:どうしてでしょうか。
アホン:アラブはイスラーム国家で、宗教と教法が一致しており、学校でアラビア語と宗教を教える。しかし中国はイスラーム国家ではないので、宗教と教法は一致せず、学校でアラビア語と宗教を教えない(だからこどもたちは学びたがらない)。
アホン:展覧室をお見せしよう。
→別ファイルへ。
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