調査メモ(部分)目次
ここでは、合同調査の際のフィールド・ノートの一部を紹介する。参加者各人の覚え書きの一部を日程ごとにつなぎ合わせたものである。以下の点をご了承いただければ幸いである。
(1)地図や位置関係がはっきりするもの、あるいは「政治的発言」の含まれるものなど、現地当局が好まないと予想されるものは、割愛してある。また、未整理ものや、個人的興味の強過ぎるものも割愛してある。
(2)教長(モスクの住職)やイスラーム協会の会長・副会長レベルのインフォーマントについては実名を明記した。これは、インタビューの性質上、当然本人の了解済みであるし、立場からして仮名にしても容易に特定できてしまうという理由もある。一般ムスリムのインフォーマントの場合は、特別な例を除き、実名を明記しなかった。
(3)あくまでも各参加書のメモを継ぎ足したものであるため、形式に不統一がある。また、適宜表現をあらため、注釈を加えてはいるが、ほぼ原状を保ったものである。
(4)「突撃型」のインタビューがしばしばあるのには、次のような理由がある。本研究が対象とした回民(現代中国の民族区分では回族)はムスリムを中核とし、かつ少数民族であるため、様々な環境要因に左右されやすい。そのため、国外からアポイントメントをしっかり取ったとしても、インフォーマントがそれに答える可能性は非常に低く、それが確実となるのは現地に到着してからであることが多かった。また、現地機関に協力を要請しても、彼らが用意してくれた以外のインフォーマントに現地で頼ることが多くなるという傾向もあった。そのため、日本国内から事前にアポイントメントを取ったことも少なくないが、概ね見込みのあるコミュニティを選んだ上で、現地でインフォーマントを獲得し、以降の継続調査に役立てるという形が大勢を占めたのである。
(5)ここで紹介するのはインタビュー調査の一部に限られる。碑文収集、文献収集に関わる調査記録は違う形で開示する。
7 2012年度 森本一夫氏の手記――調査記録にかえて
※各項目から直接ページへリンクします
0 件のコメント:
コメントを投稿